糸島自然研究会 2008年6月例会報告 鐘撞山(314m)(6月8日)

清水 和人
 平成20年6月8日(日)曇り。梅雨入り間近で空模様が今日もスッキリしない。 8:30分頃、高来寺公民館前に着くとマイカーの方が4名来て、既に公民館前の坂道脇に車を寄せてあった。マイカーでの参加者が増えてくると公民館の庭を相談しなければと思っていたが、4名以外は皆川原行きのタクシーバスを利用し、高来寺バス停で下車した。車の中はギュウギュウ詰めだっだようだ。9入乗りのバスから13〜14名下りたようだ。
 早速、高祖山登山口の坂道で少し幅広い場所に集まって頂き、参加カード記入、参加費等を徴収した後、この山の地質(早良花岡岩)は表面が小さな粒状の小石と赤土で滑りやすい為、足不には十分注意して登られるように注意した。又、このルートは恰土城の望楼跡を登るので坂道脇の望楼跡2ケ所は見ることが出来ます。残りの3ケ所は、コースから40〜50mの所にあるので帰りにでも立ち寄って見ましょう。こんな話をして出発をした。
 出発をして500m程上ったところに第5望楼跡がある。ここで10分程休憩し再び上りはしめた。第4望楼まで300mと書いた道しるべが立っている。第4望楼まで来ると「この先40m」と書いた矢印板が立っている。ここには立ち寄らず第3望楼へ向かった。此処は坂道の側にあって、周囲を縄で張ってあるが、股越せば越せる高さです。此処でも10分程休憩した。礎石を数え方角を確認する入もいた。ほぼ正方形に石は据えられ1辺が7〜8mあることから、かなり高く大きい櫓が組まれていたのだなと感心し、はたして、何回半鐘が鳴り響いたのだろうか?どんな打ち方で敵の数や進入方向を教えていたのだろうか?此の半鐘で第5、第4,第3,第2,第1と伝えられ、恰土城本丸へ敵の進入を知らせる方法を考え出した事にも感心していた。ある入は火山では敵の進入を火を炊き煙の色で、散の規模を知らせていたそうだと言う。糸島には旗を振って敵の進入を知らせていたという飯原の旗振山の話をする入もいた。皆いろいろと知っているなと思いました。
 更に第2望楼を過ぎ20分程土った所に当たりが少し開けて前原方面から可也山迄一望出来る所がある。皆はかわるがわるに狭い岩肌に上り、可也山の姿の素晴らしさを見て、さすが『筑紫富士』と言ったもんだ。見事な稜線を画書き出している。「今日は遠くの海が白く霞んでいるので、富士山そっくりに見える。」と言う。可也山の素晴らしさだけでない。近くの木々の葉も、光に輝く黄緑色、ややくすんだ濃緑色、ドングリやクヌギの若葉はまだ若々しく、黄色が強い淡黄緑色。この自然がおりなす緑の美しさに元気を頂き、第1望楼『鐘撞山』を目指した。第1望楼は高祖山登山道から少し周船寺方面へ下った所にある。以前はこの分岐点に前原市教育委員会から建てた説名板があって、高祖城や望楼について詳しく書かれていた。今回は疲れていてその説明を見た記憶がない。かなり疲れていたのだと後で気づいた。
 分岐点から少し下ると第1望楼へ上る坂道がある。10名近くは第1望楼へ土ったが、私達は、そのまま鐘撞山へ向かった。10分程度で到着した。そこにはベンチが4〜5個設置してあり、遠くに能古島、志賀島が見え大観覧車、今宿の黄緑色のカスタンク、筑肥線等々も手に取る様に見ることができた。皆が揃ったところで昼食。第1望楼へ登った人々は望楼の礎石の回りにはママコナが小さな紅紫色の花をつけいてた。「美しかった」と言う。
 此処までに観察した植物(草本)・ハルジオン・ニガナ・ノジスミレ・ソクシンラン・ヒメハギ・サルトリイバラヤエムグラ・カラムシ等(木本)カクレミノ・スダジイ・マテバシイ・アラカシ・コナラ・リョウブ・ネジキ・ネムノキ・コムラサキ・ヤマツツジ・ホウノキ・ゴヨウアケビ・ノイバラ・オオバヤシャブシ・ネズミモチ、・イヌザンシヨウ・イヌビワ・シロダモ・アカメガシワ(シダ類)・ウラジロ・コシダ・イノデ等を観察した。
 昼食が済んだ頃から、今にも雨が振りだしそうになつてきた。皆が早く下山しようと言う。帰途は高末寺に車を駐車している人と、周船寺方面へ下りる人に分かれ下山した。朝バスで来た人が多かったので,14〜15人の人が三宅氏の誘導で周船寺方面へ下りる。途中第1望楼でママコナの群生を見て歓声を挙げる人もいた。その後はひたすら坂道を下る。途中2〜3ヵ所・イノシシの大きな水浴び場を横切り、白い房状のリョウブの花を観察したり、ノイバラの花を観察しながら下る。40分程で森邸の上へ出た。予備調査の時は草むらの中にある小さな道しるべには気づかず通りすぎた所だ。三宅氏がそこにあるよと指さしたので気づいた程である。目の前に学園都市駅が見える。三宅氏は途中まで道案内をし、西区泉の方へ向かわれた。
前原組4人は学園都市駅へ向かった。残りの10人は西区徳永の方へ下りたのでしょう姿は見えなかつだ。皆無事に帰宅できたようだ。
終わり
・ツブラジイとスダジイの区別を
実の大きさの他、スタジイの葉の表皮細胞がニ層、ツブラジイの葉の表皮細胞は一層である。これを確認すれば区別は容易にである
カット図は九州花図鑑より


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