糸島自然研究会 2006年 8月例会報告 川原渓谷
橋本あつこ
参加者10名
 8月6日快晴。今日も暑い一日になりそう。前原市川原バス停を9時20分出発、糸島峠への道をすぐ右へそれ里山に入る。
 竹林の中、横を流れる谷川の音を楽しみながら歩く。谷へ下りて見たいが、かなり深く降り口が見つからないのが残念、橋から覗く谷川の水量は多いようだ。ハゼの紅葉が始まっていて、エゴノキ、ゴンズイ、マタタビ等は青い実をつけている。
 オニヤンマが現れ、溝の石に止まって、水面に尾の先を何回もつける産卵らしき行動を始めたのを皆黙って見つめる。緑色の大きな目玉が印象的だった。ツクツクボウシやミンミンゼミも多く、声を聞いているだけで汗がいっそう流れる気がする。
 道端の、ヤブミョウガやクサギが花盛りで、ヌスビトハギ、コマツナギの花も愛らしい。谷川の途中には、こんな里山にこんな瀧がとびっくりする瀧があった。豊かな水量で瀧の側へ行くと飛沫を浴びてとても涼しく、暫く憩う。
 もう一つ記録したいのが、蝶の水飲み場の事である。瑠璃色に輝く翅と後翅の外縁の紋が美しく並ぶ大型蝶のカラスアゲハ(ミヤマカラスアゲハかも知れないと大きさや翅の美しさから思っている)が数匹、道に流れ出ている谷川の水を飲むらしき場面に出会った。
 「あれは水を飲んではすぐ出して身体を冷やしているのよ」と話している人がいた。面白いので私も蝶のことを少し調べてみたいと思った。
 昼食を早めに済ませ12時に出発して、熊野神社に向かう。由比章祐著「恰土志摩地理全誌」によると、り||原村の熊野神社は権現谷にあって熊野三神など祀る」とある。多分この神社のことだと思う。狛犬の守る古い素朴な神社である。
 ―石段の苔柔らかに夏の宮―
 13時熊野神社を後に暑い日差しの中、川原バス停へと向かう。
・・・ふるさとのやまはありがたきかな・・・ 啄木の歌をふっと思い出す今日の里山散策だった。
 観察した主な植物等
 ツユクサ、オトギリソウ、キツネノマゴ、アキノタムラソウ、シロツメグサ、ダイコンソウ、ヤブミョウガ、ベニバナボロギク、アリドオシ、タカサブロウ、クサギ、イヌホオズキ、ボタンズル、イヌビワ、コウゾ、タチシノプ、ホラシノブ、ハグロソウ、エゴノキ、ゴンズイ、マタタビ、ヒメヒオウギズイセン、キンミズヒキ、オトコエシ、オカトラノオ、アカメガシワ、ヌスビトハギ、ヒヨドリバナ、クリ、コマツナギ、ヨウシュヤマゴボウ、ノギラン、ネジバナ、コアカソ、マツカゼソウ、ミズキ、ヤマイモのはな、ヘクソカズラ、ハエドクソウ、ミズヒキ、モミジウリノキ、ミズタマソウ、カラスウリ、アオキ、コンテリクラマゴケ、ヤブマオ、 その他
 ハグロトンボ、オニヤンマ、カラスアゲハ、(ミヤマカラスアゲハ)、ツクツクホウシ、ミンミンゼミ、キチョウ、アブ、アカガエル、アオスジアゲハ、アカタテハ、 以上



いとぐらTopへ
<<いとぐらTopへ戻る>>