糸島自然研究会 2006年 3月例会 十坊山(3月12日)
 井上 睦男
 夜中3時頃?雨足が激しく、朝にはかなり小雨になったものの未だ時々降り止まず、この状況では果たして参加者があるのかと思いつつ、集合地の鹿家駅に行きましたが、会員外の方が三人お見えになっておられました。
 こんな悪天候を承知で、又遠い所まで来られているので「どうしますか」と尋ねるのもためらわれ、黙々と登る準備もしてあるのでその必要を感じませんでした。
 9時15分小雨の中を7人で十坊山を目指し出発し以前から当会でアオモジ見学に歩いたことのある鳥越林道に向かいました。
 西九州自動車道にかかる陸橋を渡り、右へ、鳥越林道に入り。一路十坊山へと歩きました。分岐点のすぐ上の斜面に、今では街部では余り見かけられなくなったフキノトウが出ているのに出会い嬉しく思いました。少し登った所の、右側の道路沿いにホトケノザがまるでレンゲソウの様に、一面咲き広がった群落が、見事でした。
 更に登った鳥越林道開設記念碑の建っている、小高い公園の手前あたりから、アオモジが現れ始め、林道の終点まで見かけられました。丁度今が見頃のいい時に来たなと、思いました。出発じから降り続いていた小雨も次第に止み、四つある池の付近では、ほぼあがりました。こんなに静かで高い所にある池は、糸島地区では珍しく、他では糸島峠の近くにある八丈池が良く似ている位です。
 林道の終点からは左に入って尾根上に登り、踏み分け道を通って中村からの登山道の分岐点を右折、山頂を目指しました。登山道、両脇斜面のあちこちにコショウノキがあり、白い花が咲き芳香を放っていました。頂上には正午頃着きましたが。雨があがったばかりで陽が射さず、風が強くてとても冷え込みました。その為ゆっくり寛げる状況ではなく、昼食後は記念写真を撮り、早々に降り始めました。
 帰りは白木峠に出て、福吉に行く予定でしたが。集合地に車を置いた為、予定を変更し、中村に通じる登山道を降り、途中の分岐点から鹿家に向かいました。登山道を大分降った所に。根がむき出しになり、幹にはコブ状のものが着いているマテバシイの古木を、何本も見かけ、その生命力の強さには驚かされました。
 鹿家集落に降りて来て、神社の入り口にある河津サクラが満開できれいでした。このあたりから、南側と西側の山の斜面に、アオモジの群生しているのが良く見えました。今日は歌の文句の一字違いで在った山は花ざり≠フ一日でした。悪条件でしたが、無事に14時35分頃鹿家駅に戻り散会しました。

○十坊山で観察した植物
キズタ、カラスザンショウ、スイカズラ実、アオキ、ツルウメモドキ実キブシ、ハナミョウガ実、シキミ、キカラスウリ、イワガネゼンマイ、ヒヨドリジョウゴ、コウコウチク、シロダモ、ヤブラン、アオモジ、ハマビワ、トベラ、ムラサキケマン、ノイバラ実、サルトリイバラ・コショウノキ・イノモトソウ・コウゾ・タンキリマメ・クロキ・クロモジ・ネコヤナギ、フウトウカズラ・オオイタビカズラ、ユズリハ、河津サクラ等を観察できました。
十坊山山頂の巨石前で (画像サイズ:30KB)



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