糸島自然研究会 6月例会 皿倉山〜権現山 報告
清水和人
 平成17年6月12日(日)晴れ,梅雨入り前の天候不順で心配していたが、薄曇り程度で、時々強い日差しがさしてくる。山登りの日差しとしては良好だ。午前11時皿倉山帆柱ケーブル前に集合した者17名。暫く、マイカーで来る、金貞氏と米村さんの到着を待っていたが、姿が見えないため、11時20分発帆柱山ケーブルで山頂へ向かった。皆は暫くの間、ケープルの窓から見える景色に見入っていた。5分もすると、帆柱山山上ケープルヘ着く。
 皿倉山へは初めての人もあり、コースを変更して、皿倉山山頂の展望台まで上り、眼下に見えるパノラマを存分に楽しんだあとで、集合写真をとり、皿倉豆へ向かった。ここで昼食をとり、一休みしたところで、参加者名を記入し参加費等を徴収した。そうこうしているところへ、帆柱自然公園愛護会の三浦氏が来られて、糸島の遠い所から見えたのなら、と言って自己紹介をされ「私で良かったら権現山一周をガイドしましょう」と言われたので、皆は快くガイドをお願いした。その時、金貞氏のことや、四辻さんの事を話すと、四辻さんは現在帆柱自然公園愛護会の会長さんであることや、金貞氏の野鳥研究のことは良くご存じでした。
 三浦氏にガイドされて最初に見学したのが大杉の根株で、「此れは19号台風で倒れ愛護会全員で話し合い根株だけは会の方で保存する事にした。土を洗い流し、研懸紙で磨き上げ、つや出しをかける等、会員が交代しながらやっと展示出来るようになりました。大きさは短い方の直径が3m、長い方が8.5mで二つの株が合体しています。樹齢は200年と言いますが、倍以上の年数がたっていると思います。」等々説明して頂きました。再び皿倉平へ戻る。この往復の坂道で観察したものは、
 ・ヤマボウシ(ミズキ科、山野に見る落葉木。葉は柄があり対生。裏面の葉脈に黄褐色の毛がある。夏、枝先花柄を出し、4個の総包片は大きく白色で花弁のように見える)。この時期、皿倉山から権現山の道沿いには至る所で、白いシートを掛けたようなヤマボーシを見ることが出来た。
 ・ガマズミ(スイカズラ科、山野に生える落葉低木。高さ2〜4mく若枝に毛が生える。葉は対生し、広い卵形で先がとがり、縁に鋸歯がみられる。5〜6月頃枝先に白色の小花をつける。果実は赤く熟し食べられる)。
 ・ンガバモミジイチゴ(バラ科、山野に多い落葉小低木。葉柄とともにとげが多い。花期は4〜5月、葉漬から白花を下向きにつける。実はオレンジ色に熟し、美味しい)
その他、・タネツケバナ(アブラナ科、クレソンとも言う)。・・シオデ・ヘビイチゴ・ヨツバムグラ・アカネ・ツバキ園などを観察した。
 皿倉平の自然公園管理事務所前で休憩をとり、権現山周回路を案内して頂く。周回路は大きな杉や・イヌシデ・マテジイ・スダジイ・エゴノキ・ケヤキ等の雑木で覆われ、殆どが日陰の平坦な道路である。この道路脇に一般市民のキャンプ場がある。周回路に入ると、道路脇に・ウバユリ(ユリ科、葉は互生で、葉腹に黒紫色の球芽をだす。花は夏、茎の順に白い花を2〜10余りつける)
 ・ヤマホトトギス(ユリ科、茎は直立し、単一で寝た傘30〜o 0 cm。葉は互生し、基部は茎を抱く。花芽はまだでていない)
その他、林床では、アオキ、イヌビワ、ニワトコ、ヤツデ、イタドリ、ドクダミ、スミレ・サワギク(キク科、山地の湿地に生える2年草。茎は直立し高さ60〜90cm。根生葉には毛があり、茎葉は互生。夏、茎の上部で分枝し、多数の頭状花をつける。外周は7〜8個の黄色の舌状花をつける)。この道路脇でも数カ所で・ヤマボウシの花を見た。暫く進むと道路脇に胸高位3〜4m程もある大きな・スギが何本も立っている。これが「皇后杉」と呼ばれている杉である。三浦さんたちは、このスギを保存していくため自分達で根ざらえや古枝を落とす等の作業の他、樹木や岩石の名前も調べ、名札を建ててあるそうです。「皆さん自由に観察されていいです」。・クサギ(ク7ツヅラ科、山野に生える落葉木,葉は長い葉があり対生で、毛があり、臭気がある,夏、枝の先に多数の花をつける)。その他・カラスザンショウ・クロキ・クワノキ・ウリハカエデ・ヤブラン・ヤプマオ・イラクサ等を観察して帆柱山管理事務新前へ予定より30分遅れで戻ってきた。
 三浦氏へ皆でお礼を言って、煌彩の森コースを下って来た。途中の樹木にも名前札をつけてあった。半分ほど下った所に見返り坂の案内板が建てられていて、ベンチも設置され休憩所となっている。これから先ますます急な下りになり、そろそろ膝の痛みも感じる。観世の森、尾倉登山口まで下って来ると、帆柱ケーブル山麓駅が見えてきた。途中、黒崎の方へ帰る方があって、帆柱ケーブル山麓駅広場で解散した。(4時30分頃)
 ここで10分程休憩をとり、皆は元気に八播駅を目指した。列車の中はたいした混雑もなく全員早めに腰掛けることができた。列車の中では・ヤマボウシ・大きな杉の根株等の素晴らしさで話が盛り上がっていた。



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