糸島自然研究会 12月例会 野外観察・18年度総会
清水 和人
 平成17年12月11日(日)曇り。今朝はぐんと冷え込み、北西の風も吹きつける。午前9時30分、前原市丸田公園広場に集合した者9名。送迎バス出発まで、思い思いに丸田池周辺を散策して頂く予定でしたが、寒さの為、建物のかげで北風を避けている。
9時50分。ふる里の送迎バスが来た。皆をバスに乗って頂き、井上さんと二人で遅れて来る人を待っていた。10時近くになっても参加者の姿は見えない。1〜2分早いが出発した。加布羅橋から道目木付近は少しスピードを落として頂き、会員の姿をさがしながらバスは走った。
 本日、最初の目的地である「万葉の里」公園には10時15分頃到着。乗客8名はバスから降りて、綿積神社前に建っている万葉の歌碑や万葉歌詞の説明板に近寄り歌詞を読み可也山の縦やかな稜線を眺め、遠い昔、この地に防人として赴いてきた人々の思いを想像していた。マイカー組も到着し参加者18名になった。暫くは公園広場で・ツワブキの花・ジシバリ・ノビル・ジュウニヒトエ(園芸種)・ヒメイタピ・ハマユウ等を観察した。
北西風は容赦なく吹きつける。冷たい風を避けるため神社の南側へ回って植物観察をした。日がさしている所は暖かく感じた。皆はアカノマンマの花を見てイヌタデだ。「これは、田畑や路傍など至る所に生え、花は9〜10月で、淡紫色の穂が美しい。たまに、白花もあるよ。」大塚さんが高い木に絡まり赤い実の塊を沢山つけたビナンカズラを見つけ、見て!見て!と言って近くにいる人に呼びかけている。この万葉公園から神社周辺で観察した植物は、
@ハマオモト(一名ハマユウ)(ヒガンバナ科。暖地の砂浜に生える多年草。茎の高さ50cm内外。葉の長さ40cm内外となり、7〜8月頃、10個余りの白色の花をかさ形につける。ハマオモトとは浜に生えて、オモトに似ていることからこの名がある。)
Aハマボッス(サクラソウ科。茎の高さは10〜40p。葉はあつく艶がある。茎の先に多数の自い花をつける。花は夏。)の冬芽を観察。
Bホソバワダン(キク科。茎の高さは30〜60cmで根元で枝分かれする。葉は大きくやわらかい。茎や葉を切ると白い汁がでる。花は秋)の冬芽を観察。
Cツルソバ(タデ科。暖地に生える蔓性の多年草。茎は長くのび四方に広がる。全体に無毛。葉はやわらかい。葉柄は1.5〜2cm。 葉鞘は無毛。花は5〜11月。花は枝の先に凶状に集まり自い小さな花がつく。果実はふくれた3稜形、長さ3o程、光沢はない。ツルソバとはソバに似ていることから、この名がある。)
Dトベラ(トベラ科。雌雄異株。高さ2〜3mの常緑低木。葉に艶があり縁は裏がわにまくれる。枝を折ると、いやな臭いがする。花は初夏。)
Eイヌピワ(クワ科。高さ2〜4mの落葉低木。葉脈は葉のうら側にはっきり出る。花は春さくが、外からは見えない。果実はイチジクに似ているが小さい。)
<その他に観察したもの>
●ジシバリ(キク科。花の茎は高さ約10cmで、茎は地面をはってのびる。頭花は舌状花のあつまりで、葉や茎を切ると白い汁がでる。田のふちに多く、この名は茎が地面をしばると言う意味がある。)
●セイヨウタンポポ(キク科。花茎の高さ!5〜20cm。 タンポポに似ているが総包片にこぶはなく。花の頃外側のものは反り返る。新芽は食べられる。)
●オニタビラコ(キク科。茎の高さ20〜100cm。 葉や茎を切ると白い汁がでる。頭花は小さく。全体にやわらかい細い毛がある。)
●サネカズラ(一名ビナンカズラ。モクレン科で、常緑のつる性植物。6〜7月頃、淡い黄色の花を開き、秋の末になると熟して赤くなり、美しいく光沢がある。茎には粘液があり、細かく切って水に浸すと粘り気の強い水になる。これで頭髪を洗ったので美男カズラと言う。)
●チカラシバ(イネ科。野原の道ばたに多い多年草。かたまった株になって生え強く、しなやかで引き抜き難い。9〜10月頃、黒紫色の穂を出し、小穂は1花よりなり長い毛がある。よく衣服につく、チカラシバは引き抜き難いと言うことからついた名。)
神社裏の雑木林のへりや、目陰地には・ミゾシダ・イヌシダ等が沢山生えていた。

 10時50分、ふる里の送迎バスが来た。徒歩細はバスに乗り、ふる里料亭へ向かう。その後にマイカー細か続く。料亭につき、早速、総会会場へと案内された。部屋に入り受付の机を並べて会費の徴収をはじめる。徴収終了後、若官副会長の開会の言葉で総会が始った。会はスムーズに進み、臨時例会として野鳥観察、カブトガニの産卵を見る会、オオキツネノカミソリの観察を実施する事も採決された。また、幹事以外から例会担当者を希望する人も出る等、会は盛り上がり12時30分に終了。この後宴会に移った。      終わり。
<参考文献、学生植物図鑑。牧野日本植物図鑑。九州の花図鑑>




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